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サイレンの語源と由来、例文、英例文

この記事では、「サイレン」の語源や由来について解説しています。
語源に関する様々な説を紹介するとともに、例文や英語例文(日本語訳付き)も紹介します。
そのため、「サイレン」という言葉に興味がある方は、ぜひ本記事を読んでみてください。

運営者(とみちゃん)

熊本県生まれ。国立高専→国立大学院(情報工学修士)。当時は小さなベンチャー企業2社(現東証プライム市場上場 アカツキ、現JASDAQ市場上場 Speee)、時価総額数兆円規模の大手企業にてエンジニア・インターンシップを経験。Speeeの開発インターンシップ evolution (上級編) にて優勝し、Speee賞を受賞。大学院では、国内最大級のシンポジウムである「情報処理学会 DICOMO2014」にて最優秀プレゼンテーション賞・優秀論文賞を、ワークショップでは「情報処理学会 DPSWS」にて優秀ポスター賞を受賞。その後、大手企業本体の研究所でソフトウェアの研究開発職として従事し、ソフトウェアの上レイヤー~低レイヤーの幅広い開発経験を積み上げる。離婚を経験し、精神的苦痛を和らげるために横浜市から熊本市を電動アシスト付き自転車で走破(1,350km、総日数11日、内雨天時の2日は休憩日)。その後精神面が回復し、現在は子会社の役員室に所属し全社のDXを加速させる仕事に従事しつつ、複数のブログを運営中。

目次

サイレンの語源と由来

サイレンは、英語の「siren」からの外来語で、警報や時報などに使われる音響発生装置、もしくはその装置から出る音を指します。
日常的には、救急車やパトカーなどから発せられる音のことを指しますが、sirenという英単語の語源はギリシャ神話に登場するセイレーンに由来します。
セイレーンは、上半身が女性で下半身が鳥の姿をした海の魔物で、美しい歌声で航行中の船乗りたちを誘惑し、難破させて命を奪ったと言われています。
この魔物に喰い殺された船員たちの骨は島に山を成すほどだったとされていますが、この逸話が美化されてセイレーンは音楽の守護者となりました。
そのため、英語のsirenは美声の女性歌手という意味でも用いられるのですが、ギリシャ神話の中のセイレーンは船乗りたちにとって命を奪われる危険な存在であったことから、現在日本で使われている危険や警戒を示す意味へと変化していったとされています。
なお、セイレーンという名前の由来には所説ありますが、「紐で縛る」「干上がる」といった意味がある「Seirazein」ではないかという説が有力です。
また、英語表記では「Siren」となりますが、ギリシャ語では「Seirenes」と表記されます。
この「Seirenes」がラテン語の「Siren」へと変化して、英語でも「Siren」となったとされています。

また、ギリシャ神話の中にはセイレーンが登場する有名な2つのストーリーがあるのですが、最も有名なのは英雄オデュッセウスとの攻防です。
ホメロスの「オデュッセイア」の主人公であるオデュッセウスは、トロイア戦争からの帰途の途中でセイレーンに遭遇するのですが、事前に対抗策を聞いていたため命を奪われずに済みました。
オデュッセイアに対抗策を授けたのは魔女キルケで、オデュッセイアは事前に船員たち全員の耳を蜜蝋で塞いで航行するようにとアドバイスを受けていました。
このアドバイスに従ってオデュッセイアは、部下の船員たち全員の耳を蜜蝋で塞いだのですが、自身はどうしてもセイレーンの歌声が聞きたいという理由から耳栓はせずに、部下に命じて自身の体を船のマストに縛り付けておいたとされています。
この対策のおかげでオデュッセイアたちは無事に航海を終えることができたのですが、自身の歌声で遭難させることができなかったセイレーンは海に身を投げて自殺したそうです。
自殺後は岩となって岩礁の一部になったとされていますが、岩になった後も美声を残して現在でも船乗りたちを惑わせているという言い伝えもあります。

もう一つのストーリーは吟遊詩人オルフェウスとの攻防です。
アポロニオスの「アルゴナウティカ」では、英雄イソアンが率いるアルゴ探索隊の船がセイレーンの岩礁に近づいたとき、同乗していたオルフェウスは竪琴を演奏して、船員の耳を自身の音楽に傾けさせることで無事に難所を突破することができました。
オルフェウスは、冥界の王ハデスの心さえ動かしたほどの竪琴の名手であったため、セイレーンの歌声でも敵わなかったのですが、ただ一人ブテスという隊員だけはオルフェウスの音楽でも敵わずに海に飛び込んで泳ぎ去ってしまったそうです。

以上がサイレンの由来となったセイレーンの概要となりますが、その姿は中世以降になると半人半鳥ではなく、上半身が美女で下半身が魚の半人半魚型へと変化していき、後世になると海の精や人魚といった姿で表現されることが多くなりました。
このような変化が起こったのは、言語上の誤解にあるとされています。
ギリシャ語では羽根と鱗は同じスペルで、ラテン語でも羽根と鱗のスペルは非常に似ているため、下半身が羽根で覆われた姿から鱗で覆われた姿へと変化していったのではないかと言われています。
また、西洋絵画の中にはセイレーンを題材にしたものが少なくありません。
例えば、フランス象徴主義を代表するギュスターヴ・モローの「セイレーンたち」「詩人とセイレーン」、ギュスターヴ=アドルフ・モッサの「飽食のセイレーン」、パウル・クレーの「セイレーンの卵」、ポール・デルヴォーの「セイレーンたちの村」などが挙げられます。
なお、セイレーンが描かれた図像には尾が二又に分かれたものも多く残っているのですが、この尾が二又に分かれた姿は「スターバックスコーヒー」のロゴのモデルにもなっています。

また、セイレーンと混同されがちな存在としてローレライがありますが、ローレライはドイツに流れるライン川流域の町「ザンクト・ゴアールスハウゼン」の近くにある高さ130mほどの岩山、もしくはその岩山にいるとされる精霊のことです。
この岩山付近はライン川の中でも流れが非常に速いことに加えて、水面下に多くの岩があることから数多くの船事故が起こった場所だったため、岩山の上にいる少女が船乗りたちを惑わして川底に誘い込むという伝承が生まれたとされています。
現在は、度重なる工事により大型船でも安全に航行できるほど川幅が広げられており、ライン川下りはドイツ観光の中でも人気のアクティビティとなっています。

サイレンの例文(英例文も併記)

  1. 救急車のサイレンで目が覚めました。
    I woke up to the siren of an ambulance.

まとめ

今回は、「サイレン」という言葉の紹介と、その使い方の例文をご紹介しました。
この記事がお役に立てれば幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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